【動画付き】今知っとくべきeSIMとは?メリットデメリットを完全解説!
最終更新日:eSIMとは次世代のSIMカードのカタチです。最近ではpovoやLINEMOといったキャリア格安プランにも導入されたことで話題になっています。eSIMによってもたらされる未来や有効活用方法なども解説!
株式会社PlusPass すまっぴー事業責任者
複雑な格安スマホの情報をわかりやすくお伝えします。2015年から60台以上の格安スマホに触れてきました。
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eSIMとはそもそも何?
通常、スマホで電話やモバイルデータ通信を利用する際は電話番号などの契約情報が必要です。
従来のSIMでは物理的なICカードに契約情報を書き込み、それをスマホに挿すことで電話やモバイルデータ通信を可能にしていました。
eSIMは端末内へSIM機能が組み込まれており、そこに契約情報を書き込みます。 契約の際に物理的なSIMカードを受け取ったり、スマホに挿したりする必要はありません。
従来のSIMカードもeSIMも「スマホで電話やデータ通信を利用するため」という役割は同じですが、仕組みが大きく異なるわけですね。
eSIMとは次世代の新型SIM!
eSIMは次のような特徴を持っています。
- 契約情報をどこにいても書き換えられる
- 1台のスマホで複数の回線を保有できる
契約情報をどこにいても書き換えられる
eSIMは自由に契約情報を書き換えられます。スマホの契約および解約が従来よりも楽になるのがメリットです。
従来のSIMカードはすでに契約情報が書き込まれた状態でユーザーの手元に届きます。ユーザーが契約情報を書き換えることはできません。
1台のスマホで複数の回線を保有できる
eSIMは1台のスマホで複数の回線を保有できるという特徴もあります。
物理SIMの場合は1枚で1回線分の情報しか書き込めません。スマホ1台で保有できるのは2回線が限度です。
eSIMはデータをどんどん書き込めるので、たくさんの回線情報を保有できます。もちろん、必要に応じて利用するSIMを切り替えることも可能です。従来の物理SIMでは出来なかった使い方ができる、まさに次世代の新型SIMと言えますね。
eSIMのメリット
eSIMには次のようなメリットがあります。
- 新規の場合は即日開通出来る
- デュアルSIMで賢くダブル運用できる
- SIMの出し入れなしでシムピン要らず!
- SIMを返却しなくて良い
- 海外旅行の際に便利!
- SIMスロットの劣化が無い
新規の場合は即日開通出来る
eSIMは新規で申し込んで即日開通が可能です。
従来の物理SIMだと、郵送でSIMカードが届くのを待たないといけません。即日開通したい場合は店舗で契約し、SIMカードを受け取る必要があります。
eSIMの場合は端末内にSIM機能が内蔵されているので、SIMカードが届くのを待つ必要はありません。
オンラインで本人確認する「eKYC」を利用して即日契約が出来れば、契約後にeSIMを設定するだけですぐに使えます。
デュアルSIMで賢くダブル運用できる
eSIMは「デュアルSIM」で運用するのに便利です。
デュアルSIMとは2枚のSIMカードを併用することです。さらに、2枚のSIMカードで同時に着信できる機能を「DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)」と言います。
DSDV対応スマホなら2つの電話番号を同時に待ち受けられますし、あらかじめ設定しておいたSIMでデータ通信も可能です。
従来の物理SIMに追加してeSIMを利用すれば、1台のスマホで複数の回線を使い分けられます。これまでのようにスマホを2台持ちする手間が省けます。
例えばプライベートと仕事で電話番号を分ける、異なる事業者のSIMを契約して通信障害に備えるといった使い方が可能です。
SIMの出し入れなしでシムピン要らず!
SIMを入れ替える際にシムピンが要らないのもeSIMのメリットです。
物理SIMカードの場合はスマホからSIMトレイを取り出し、SIMカードを入れ替えます。iPhoneをはじめ、多くの機種はSIMトレイを取り出す際に「シムピン」という細いピンが必要なため少し面倒です。
eSIMの場合はスマホの設定で利用するSIMを切り替えるだけなので、シムピンでSIMトレイを開ける必要がありません。 あらかじめ端末に登録しておけば、いつでもサッと切り替えられます。
SIMを返却しなくて良い
eSIMは契約時や利用中だけでなく解約時も手間がかかりません。
事業者によっては解約時にSIMカードの返却が必要です。とくに格安SIMの場合はSIMカードの返却を要求されることがほとんどです。
eSIMの場合は物理SIMと違い返却する必要はありません。オンラインや電話で解約手続きするだけで解約が完了します。
海外旅行の際に便利!
eSIMは海外旅行へ行く際も便利です。
- SIMカードを紛失する恐れがない
- 現地のSIMへ切り替えやすい
海外へ行く際は現地のSIMやプリペイドSIMを使うのが一般的です。物理SIMだと使わない間はスマホから取り出すことになるので、海外へ行っている間に紛失する恐れもあります。
eSIMの場合は使わない時もスマホ内に内蔵されているので、海外で別のSIMを使っている間も紛失する心配がありません。
最近では海外で使えるeSIMサービスも増えています。eSIMなら現地に着いたら設定で現地のSIMをオンにし、帰国したら元のSIMへ切り替えるだけでOKです。
現地の物理SIMを入手したり、SIMカードを入れ替えたりする手間がかかりません。
SIMスロットの劣化が無い
eSIMならSIMスロットが劣化しません。
SIMカードを何度も抜き差しすると、SIMスロット/SIMトレイが劣化します。
SIMスロットが劣化するとうまくSIMカードを挿せなくなり、電話やモバイルデータ通信が使えなくなる恐れもあります。
eSIMなら、入れ替える際にSIMスロットを抜き差しする必要がありません。SIMスロットの劣化を心配せずに使えますよ。
eSIMのデメリット
便利な一方、eSIMにもいくつかデメリットがあります。
- 緊急電話できないパターンがある
- eSIMをインストールするために別のデバイスが必要な場合がある
- キャリアでeSIMのスマホを買うと対応していない場合がある
- キャリアによって対応がまちまちである
- eSIMの交換手続きは物理SIMより手続きがめんどくさい場合がある
緊急電話できないパターンがある
eSIMを利用する際、緊急電話できないパターンがあります。 具体的には次のような使い方です。
- iPhoneシリーズ(XS/XS Max/XR以降)でeSIMをデュアル運用利用している
- 音声通話ができないデータ通信SIMを「モバイルデータ通信」用に設定している
緊急通報できなくなるのはiPhoneでデュアルSIMを利用し、音声通話ができないデータ通信SIMを「モバイルデータ通信」用に設定している場合のみです。
モバイルデータ通信用に設定しているSIMも音声通話ができるSIMならこの問題は起きません。
iPhoneでeSIMによるデュアルSIMを利用する場合は、音声通話ができるSIMをモバイルデータ通信用に設定してください。
この現象が確認されているのはiPhoneのみです。 Androidでは確認されていません。
しかしこれは不具合なので、今後のアップデートで解消されていく可能性もあります。
eSIMをインストールするために別のデバイスが必要な場合がある
eSIMをインストールする際は別のデバイスが必要になる場合があります。
設定の際、事業者や端末によってはeSIMインストール用QRコードの読み取りが必要です。 その際、「eSIMを利用する端末」の画面にQRコードを表示しても読み取れません。
eSIMを利用する端末とは別の端末にQRコードを表示し、eSIMを利用する端末のカメラで読み取る必要があります。
パソコンやサブスマホなどを持っていない人は要注意です。
最近では別のデバイスが不要なパターンも増えています。 例えば楽天モバイルやUQモバイルなどは専用アプリを利用することで、スマホ1台でeSIMをインストール可能です。
キャリアでeSIMのスマホを買うと対応していない場合がある
大手キャリアでeSIM対応スマホを購入する場合は「SIMロック」と「対応バンド」に注意してください。
eSIMを使うには原則SIMロック解除が必要です。契約前に必ずSIMロックを解除しましょう。
SIMロックを解除しても、大手キャリアのスマホは対応バンドが制限されて他社のeSIMを使えないことがあります。
とくにAndroidは各キャリア向けに対応バンドがカスタマイズされているパターンが多いので要注意です。
iPhoneの場合はどのキャリアでも仕様に差はありません。SIMロックさえ気を付ければ問題なくeSIMを使えます。
キャリアによって対応がまちまちである
eSIMを使うためには端末だけでなくキャリア側もeSIMに対応している必要があります。 しかし、eSIMへの対応はキャリアによってまちまちです。
大手キャリアおよびそのサブブランドはいずれもeSIMに対応しています。問題は格安SIMで、ほとんどの事業者がeSIMに対応していません。
物理SIMよりも利用できる事業者が限られる点には注意が必要です。
eSIMの交換手続きは物理SIMより手続きがめんどくさい場合がある
eSIMは物理SIMより交換手続きが面倒な場合があります。
物理SIMはSIMカードを入れ替えるだけで他のスマホと交換できます。SIMトレイを取り出すのは面倒ですが、契約内容が変わらないならこれ以上の手続きは不要です。
一方、 eSIMの場合は再発行手続きをしないといけません。しかもキャリアによっては再発行の際に電話やチャットによる手続きが必要 で、交換するまで時間がかかることもあります。
例えばpovo2.0はチャットで再発行を依頼し、さらにメールの送付が必要です。チャットの受付時間は9時~22時で、受付時間を過ぎると再発行ができません。
反対に、再発行が楽なキャリアもあります。 例えば楽天モバイルなら専用アプリからいつでも好きな時に再発行が可能です。電話やチャットでサポートに連絡を取る必要はありませんし、申し込んで即再発行されます。
eSIMが使える端末はどれ?
eSIMを使うには端末側もeSIMに対応している必要があります。 iPhone/Android別にeSIMが使える端末をチェックしておきましょう。
iPhoneで対応している端末
eSIMに対応しているiPhoneは以下の通りです。
- iPhone XS /XS Max
- iPhone XR
- iPhone 11
- iPhone 11 Pro/11 Pro Max
- iPhone SE(第2世代)
- iPhone 12/12 mini
- iPhone 12 Pro/Pro Max
- iPhone 13/13 mini
- iPhone 13 Pro/13 Pro Max
iPhoneは2018年に発売されたiPhone XS/XS Max以降の全モデルでeSIMに対応しています。eSIMが本格化する前から、いち早く対応していたわけですね。
iPhone 12シリーズまでは物理SIM+eSIMによるDSDVに対応しています。最新のiPhone 13シリーズは従来の物理SIM+eSIMだけでなく、2枚のSIMカードでDSDVが使える「デュアルeSIM」にも対応しました。
これまでより柔軟な使い方が可能です。
Androidで対応している端末(※主要のみ)
eSIMに対応している主要なAndroidスマホは以下の通りです。
- Google Pixel 4/4 XL/4a/4a(5G)
- Google Pixel 5/5a
- Google Pixel 6
- OPPO Reno5 A
- OPPO Find X3 Pro
- OPPO A73
- Xperia 10 III Lite
- AQUOS sense4 lite
- AQUOS sense6
- AQUOS zero6
- razr 5G
- P40 Pro 5G
- Rakuten BIG s
- Rakuten Hand
- Rakuten Mini
- Rakuten BIG
Androidスマホは対応機種がかなり少なかったのですが、ここ2年ほどでGoogleのPixelシリーズを中心にeSIM対応機種がどんどん増えています。
ただし、楽天モバイルが販売しているRakutenオリジナルシリーズはeSIMのみ対応で物理SIMとのDSDVができないので注意してください。
eSIMに対応しているかどうかの調べ方は主に2つです。
- 各端末の公式サイトでスペック表をチェック
- eSIMを提供しているキャリアの対応端末からチェック
各メーカーは公式サイトに端末のスペック表を掲載しています。スペック表の「SIMカードタイプ」という項目に「eSIM」という記載がある端末はeSIMを利用可能です。
また、eSIMを提供しているキャリアは独自に端末の動作確認を実施し、対応端末を公開しています。そこに記載されている端末は、そのキャリアのeSIMに対応しているということになります。
使いたいキャリアが決まっているなら、キャリアの対応端末一覧からチェックするのもアリですね。
eSIMに対応している会社はどこ?おすすめは楽天!
2021年10月時点でeSIMに対応している事業者をまとめました。
キャリア | 月額料金 | 備考・注意点 |
---|---|---|
ドコモ | ~1GB:3,465円(税込) ~3GB:4,565円(税込) ~5GB:5,665円(税込) ~7GB:6,765円(税込) 無制限:7,315円(税込) | 他社製品の動作確認未実施 |
au | ~1GB:3,465円(税込) ~4GB:5,115円(税込) ~7GB:6,765円(税込) 無制限:7,238円(税込) | eSIM再発行前にプロファイルを削除した場合は店舗か電話で手続きが必要 |
ソフトバンク | ~1GB:3,278円(税込) ~2GB:4,378円(税込) ~3GB:5,478円(税込) 無制限:7,238円(税込) | 物理SIMからeSIMへの変更は店舗のみ |
楽天モバイル | ~1GB:0円 ~3GB:1,078円(税込) ~20GB:2,178円(税込) 20GB~:3,278円(税込) | - |
ahamo | 20GB:2,970円(税込) | - |
pivo2.0 | 0GB(低速のみ):0円 | 再発行時はチャットでの問い合わせとメールの送付が必要 |
LINEMO | 3GB:990円(税込) 20GB:2,728円(税込) | - |
UQモバイル | 3GB:1,628円(税込) 15GB:2,728円(税込) 25GB:3,828円(税込) | eSIM対応は5Gプランのみ |
ワイモバイル | 3GB:2,178円(税込) 15GB:3,278円(税込) 25GB:4,158円(税込) | 物理SIMからeSIMへの変更は店舗のみ |
IIJmio | 2GB:440円(税込) 4GB:660円(税込) 8GB:1,100円(税込) 15GB:1,430円(税込) 20GB:1,650円(税込) | ・音声通話と5Gは利用不可 ・物理SIMからeSIMへの変更不可 |
eSIMを使うのにおすすめの会社
eSIMを使うのにおすすめの会社は楽天モバイルとIIJmioです。
楽天モバイル
- 毎月のデータ通信量が1GB以下なら月額料金が無料
- 音声通話専用として使えば無料でかけ放題を実現
- 再発行や物理SIMとの相互交換もオンラインで完結
楽天モバイルはeSIMを用いてデュアルSIM運用するのに最適です。 従量制のプランを採用しており、毎月のデータ通信量が1GB以下なら月額料金が一切かかりません。
さらにRakuten Linkアプリから発信すれば通話料が無料です。デュアルSIM運用で音声通話専用として使えば、完全無料で電話のかけ放題を実現できます。
再発行や物理SIMからeSIMへの交換など、 eSIMに関する手続きはすべてオンラインで完結し手数料もかかりません。手続きがしやすいのも楽天モバイルの魅力です。
IIJmio
- 月額料金が440円(税込)~と安い
- 再発行はオンラインで完結
IIJmioは個人向けとしては国内で初めてeSIMサービスを開始した事業者です。
他社と違い、IIJmioのeSIMではSMSと音声通話を利用できません。その代わりに月額料金は安価です。2GBなら月額440円(税込)、20GBなら月額1,650円(税込)で利用できます。
利用するデータ通信量が1GB以上20GB以下かつサブ回線として使うなら、楽天モバイルよりも安価です。 再発行がオンラインで即完結するので、機種変更時も手間がかかりません。
ただし、iPhoneで使う場合は緊急通報が出来なくなります。 Androidスマホで利用するのがおすすめです。
eSIMを使うのにおススメできない会社
eSIMを使うのにおススメできないのは大手キャリア、とくにauとソフトバンクです。
auはeSIMの再発行をオンラインで手続きできます。しかし、再発行する前にeSIMプロファイルを削除すると、店舗か電話での手続きが必要です。
ソフトバンクは物理SIMからeSIMへ変更する際はソフトバンクショップへ行く必要があります。オンラインで変更できないため、すでにソフトバンクの物理SIMを利用しているユーザーはeSIMを使いにくいです。
auもソフトバンクも、これから新規でeSIMを申し込むなら問題ありません。ただ、機種変更や端末が故障した際に手間がかかる可能性があります。 auとソフトバンクを利用するなら物理SIMがおすすめです。
なお、ドコモについてはeSIMの再発行も物理SIMからeSIMへの変更もオンラインで完結します。大手キャリアでeSIMを使うならドコモが便利です。
【まとめ】eSIMとは?賢く使うと便利な代物!
以上、eSIMについて解説しました。
eSIMはオンラインでもSIMカードの郵送を待つことなく即日開通できる、デュアルSIM運用がしやすいなどメリットがたくさんあります。 慣れないと難しく感じることもありますが、賢く使えるならとても便利ですよ。
最近ではeSIMを取り扱う事業者もeSIMに対応するスマホも、どんどん増加しています。まだeSIMを使ったことがない人も、ぜひeSIMを活用してみてください。
すまっぴー編集部は2015年から格安SIM比較に関するコンテンツの企画、制作、編集しています。毎年15台以上実際に使ってわかったおすすめの格安スマホを紹介します。毎月20枚以上の格安SIMの通信速度計測も行っています。