中古Androidスマホを使うメリットと注意点
最終更新日:スマホ買い替えの候補として注目されているのが「中古スマホ」です。今回は、中古Androidスマホに焦点をあてて、Androidスマホの中古端末購入時に注目すべきポイントや中古Androidスマホはどこで購入すればよいのか、さらに中古スマホ購入時の注意点などについて解説します。
あなたはスマートフォンを何年で買い換えていますか?
- 常に最新モデルが欲しいので1年以内に買い替える。
- 2年を基準に新しい端末に買い替える。
- 3~4年を目途に新しい端末に買い替える。
- 使用期間は関係なく、故障・不具合が出てから買い換える。
上記のほかに「水没や落下などの突発的な事故」や「盗難・紛失」などの理由で、買い換えざるを得ない場合もあります。 いずれの場合でも、スマホの買い替えには一定のコストがかかり、お小遣いや家計の打撃になることも多いでしょう。
月2,000~3,000円の「スマホ積み立て」をしておけば、2年間で、48,000~72,000円の買い替え資金を作れますが、日々の生活の中で、毎月一定額を貯めるのはなかなか難しいですよね。
そんな、スマホ買い替えの候補として注目されているのが「中古スマホ」です。 今回は、中古Androidスマホに焦点をあてて、特徴やメリット・デメリット、さらに中古スマホ購入時の注意点などについて解説します。
- Androidスマホにはどんな特徴があり、中古端末となった場合にどう影響するのか
- Androidスマホは中古端末にお勧めの価格帯があるのか
- Androidスマホの中古端末購入時に注目すべきポイントとは
- 中古Androidスマホはどこで購入すればよいのか
Android スマホの特徴
Androidスマホには、iPhoneとの大きな違いが2つあります。
- Androidスマホは世界中の多数のメーカーが製造している
- Android スマホの最新OSアップデートは製造メーカー次第
上記2点については必ず理解しておきましょう。以下では、この2つの違いが中古Android購入時にどのように影響するのかiPhoneと比較を交えて解説します。
Androidスマホは世界中の多数のメーカーが製造している
iPhoneは「iPhone」と呼ばれるのに対し、Androidは後ろに「スマホ」を付けて「Androidスマホ」と呼ばれます。 Androidスマホと呼ばれる理由についてですが、実は「Android」がスマートフォンの種類を指す言葉ではなく、スマホを駆動する「OS(Operating System)」の名称だからです。 後に何も付けずに「Android」と言うとOSなのかスマホなのか分からないため、OSは「Android-OS」、スマホは「Androidスマホ」と呼ばれています。
Android-OSは、検索エンジンで有名なGoogleが開発し無償で公開しているOSです。 GoogleはAndroid-OSを無償で配り多くのスマホに搭載されると、それに連れてAndroidの標準検索エンジンである「Google」を利用する人が増え、広告収入が増える…という収益モデルを実践しているため、無償配布しているのです。
Androidスマホは、Android-OSの提供を受けて世界中の製造メーカーが独自に企画・開発・製造・販売されており、メーカー独自の機能や性能を与えられた端末が多種多様に存在します。
例えば「2020年に発売された」という条件でスマホを探す場合、iPhoneの場合は、以下の4機種で、その名称からぞれぞれの機種の大体の特徴がわかります。
- iPhone SE
- iPhone 12
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12 Pro MAX
対するAndroidスマホは、様々なメーカーから多様多種発売されており、名称(型番)のルールもなければ、仕様の統一性もありません。また、それぞれの機種がどんな特徴を持つのかもバラバラで規則性がありません。
バリ―エーション豊富で様々な機種が製造されているため、ユーザーは自分の「予算」「必要な機能・性能」「デザイン」「好みのメーカー」「生産国」などの理由で、自分にピッタリなスマホを探せます。ただし、悪く言えば各社間での統一性や規則性は皆無ということです。 このデメリットは、中古端末選びの際に大きく影響します。
iPhoneの場合「防水」「全画面」「有機ELディスプレイ」「5G対応」などの条件を決めれば、条件を満たす機種が瞬時に分かります。しかし、Androidスマホの場合はどのメーカーのどの機種が求める条件に合致するのか全く分かりません。それだけ『自分が求める条件に合うAndroidスマホの中古端末を見つけるのは難しい』という事になります。
全てのメーカーから条件に合う端末を選ぶと大変なので、お気に入りの製造メーカーを作るというのもAndroidスマホの1つの選び方です。 例えば「ソニー製は国産だしディスプレイがキレイ!」といった理由や、「ASUSは台湾のメーカーでコスパが高い!」など、自分の好きなメーカーを2~3社に絞り込むと、スマホ選びが少し楽になりそうです。
Android スマホのOSアップデートは製造メーカー次第
Googleは頻繁にAndroid-OSをアップデートしていますが、端末発売時にどのバージョンのAndroidを採用するか、発売済みAndroidスマホに新バージョンを配信するかどうかは製造メーカーの裁量で決まります。 そのため、メーカーによってアップデートの有無はまちまちです。次々と新バージョンへのアップデートを配信するメーカーがある一方で、発売後に一度もOSアップデートを配信しないメーカーもあります。
つまり、中古Androidスマホを購入しても最新のOSだとは限りませんし、購入後のOSアップデートも保証されていません。
ちなみに、iPhoneの開発や製造はApple社のみで行われており、頻繁に行われるOSアップデートも全ての対象端末に直接配信されます。そのため、iPhoneは常に新しい機能や性能、セキュリティなどをそれぞれの機種に反映させられる上に、発売から5~6年間に渡って継続的に実施されます。つまりiPhoneの場合は中古端末であっても、発売から4~5年は最新のOSバージョンにアップデートされている可能性が高いです。また、購入後も新しい機能や性能、セキュリティ対策を盛り込んだ新バージョンにアップデートできるチャンスが残されている事になります。
もちろん、Androidスマホも同様のチャンスを残す機種はありますが、どのメーカーのどの機種が最新OSアップデートの対象なのか非常に分かりにくいということです。
【Androidスマホの特徴まとめ】
- Androidスマホは様々なメーカーが製造しており、機種の名称に統一性や規則性がない
- Androidスマホは発売年や型番などで機能や性能を見極める事が困難
- 「お気に入りのメーカー」を決めて、2~3社から選ぶのも1つ選び方
- 最新OSへのアップデートが必ず約束されているわけではない。
- OSをアップデートできない場合は最新の機能や性能、セキュリティにアップグレードできない
中古端末購入に向く中古スマホの価格帯とは
Androidスマホは、端末価格によって以下の3つのクラスに分けられます。
- エントリークラス
- ミドルクラス(実用モデル)
- ハイエンドクラス
エントリークラス(ベーショックモデル)
エントリークラスは本体価格2~3万円までのモデルで、必要最小限の機能と性能に絞り込み、シンプルな操作と使いやすさに重きを置いています。 エントリークラスはよく「初心者向け」と言われますが、価格帯だけの話であり、実際には「通話しか利用しない」「メールやSNS程度しか利用しない」等のベーシックな使い方をするユーザー向けの仕様となっています。
エントリークラスは使用されている部品のコストを抑えている事から端末の寿命は短く、中古利用を想定していないモデルと言えます。 また、価格の高い機種ほどOSアップデート配信が行われやすい傾向があるため、エントリークラスはOSアップデートの対象外となるケースもあります。 以上の理由から、中古市場で販売されているエントリーモデルはあまりおすすめできません。
ミドルクラス(実用モデル)
ミドルクラスは日常の使用では不足なく使う事ができる実力を持ったモデルです。
ミドルクラスは本体価格3万円~6万円程度のモデルで、トップエンドからのフィードバックによって比較的最新の機能・性能が盛り込まれた実用モデルとなっています。ミドルクラスはメーカーを代表する最多販売機種になる可能性が高く、各社しっかり作り込まれています。
ミドルクラスは、中古端末市場でも中心に取り扱われているクラスですが、前項の「最新OSアップデート」の有無も選び方のポイントとなります。
ハイエンドクラス(フラッグシップモデル)
ハイエンドクラスは製造メーカーが一番力を入れている高級機種で、価格帯は7~8万円で10万円を超えるモデルも珍しくありません。 ハイエンドクラスは開発段階で考え得る最高の機能と性能を搭載し、製造メーカーが開発したばかりの新しい機能なども搭載されたニュースにも取り上げられるクラスです。
同じシリーズのモデルでも、ハイエンドクラスと下位モデルでは使用する部品などにも違いがある場合もあり、製造メーカーを代表する看板スマホとなっています。
実は、中古Androidスマホの価値はハイエンドクラスにあると言っても過言ではありません。 中古市場では発売当時10万円前後の高額スマホが、1~2年落ちの中古でミドルクラスの価格まで落ちてくるケースもあり、少し前のハイエンドクラスを割安に購入できます。
Androidスマホの価格帯まとめ
- エントリークラスはベーシックな機種が多く、OSアップデートが行われないケースもあるため中古購入には向かない
- 新品価格が3万円以下の安いAndroidスマホは1台限りの使い捨てと心得るべし
- 5万円を超えるミドルクラスは中古市場のメインターゲットで価格も比較的リーズナブル
- ミドルクラスは充実した機能と性能を有しており、最新OSアップデート対象の機種が多い
- 新品価格10万円を超えるハイエンドクラスも1~2年落ちの中古機種であればミドルクラスの価格で入手できる
- 5万円を超えるミドル~ハイエンドクラスの中古端末なら、購入から数年は問題なく利用できる可能性が高い
中古Androidスマホ購入のチェックポイント3点
Androidスマホの中古端末を購入する際にチェックするポイントは3つあります。
- バッテリーの劣化を考えると発売から2年以内の機種が安心
- CPUは「Snapdragon」なら700番以上搭載が目安
- RAMは最低でも4GB以上、ストレージは64GB以上が安心
バッテリー劣化が気になる発売から2年経過
スマホは日々の使用で徐々に劣化しますが、最も劣化が激しくスマホの性能や使い勝手に影響を与えるのがバッテリーです。 iPhoneは、端末にバッテリーの劣化状態を監視する機能を付けており、バッテリーの最大容量80%を目途に、初期性能を維持できなくなる旨を通知します。こうした情報公開もiPhoneの優れた点の1つです。
機種にもよりますが、ほとんどのAndroid端末はバッテリーの劣化具合が分かりません。
バッテリーの劣化で困る場面として挙げると、朝フル充電で出かけても帰宅までバッテリーが持たなくなるといった場合です。大体の目安として購入から2年でバッテリーの充電量が減ってきて不便を感じる状態になります。 中古端末の場合、前オーナーの使い方まで知る事はできませんので、目安として2年以内 と覚えておくと良いでしょう。
CPUの性能に注目
CPU(Central Processing Unit 中央演算処理装置)はスマホの中心的な演算処理を行う部分で、言ってみればスマホの頭脳ともいうべき部分です。CPUの性能が高ければより高速で複雑な演算が可能になります。簡単に言うとCPUの性能が高いとサクサク動くという理解で良いと思います。 CPUは後から交換できませんし、アップデートもありませんので、搭載されているCPUの性能が一定以上である事を重視しましょう。
Androidスマホの場合は、製造メーカー各社が様々なCPUを採用していますが、「Snapdragon」というQalcom社製のCPUが搭載されるケースが多く、他に、Huaweiの「Kirin」、Samsungの「Exynos」などがあります。 汎用として広く採用されているSnapdragonで言えば、ミドルクラス以上の機種には「Snapdragon 700」以上が採用されている事が多いため、中古購入の際も「700」番台以上のSnapdragon搭載機を目安にするとよいでしょう。
メモリーは最低でも4GB!できれば6GB以上をチョイス
「メモリー」と言うと「ああ、データを保存して置ける領域のことね!」と思うかもしれませんが、まず以下を確認しておきましょう。 いわゆるメモリーと言われるものには、以下の3つがあり、それぞれに役割が違います。
- RAM
- ROM
- ストレージ
①RAM(Random Access Memory)
RAMは、CPUが処理を行おうとする際に使用する作業用のメモリーのことです。 RAMが大きければ大きいだけCPUは同時に色々な作業をサクサクこなせます。
②ROM(Read Only Memory)
ROMは、読み出し専用でデータの書き換えや上書きができないメモリーの事をいいます。 たとえば、CDやDVDなどは視聴するだけで書き換えができないROMの典型です。
③ストレージ
ストレージは一般に言われる「データを保存する領域」の事で、冒頭で言う「メモリー」とは、実はストレージの事を指しています。 同じ記憶領域ですが、ROMと異なるのは、書き替えや上書きが可能な事で、何度でも同じ領域にデータを書き込むことができます。 古い端末の場合は搭載されているストレージが小さすぎて、写真やアプリ、音楽やなどが保存しきれない可能性が高いので、最低でも64GB程度のストレージは確保しましょう。もしストレージを確保できない場合はクラウドなどの利用もおすすめです!
上記のうち、スマホの動作に影響するのは①のRAMです。 RAMが大きければ、1つの作業を素早く処理でき、同時に複数の作業を並行して処理できるようになります。 目安として、最低でもRAMは4GB、できれば6GB以上の機種を選ぶとよいでしょう。
中古Androidスマホはどこで買えばよいのか
中古スマホの購入先として思い浮かぶのは、「中古スマホ専門店」と「個人売買」です。
中古スマホ専門店
中古スマホ専門店は中古スマホを専門に取り扱うプロで、リアル店舗とネットショップがあります。 中古スマホ専門店は、独自のルールで買取りや下取りをしたスマホを徹底的に検品し、端末の年式や端末の程度、付属品の有無などによって値付けを行い、販売しています。 中古スマホ専門店に特徴的なのは白ロム保証です。 白ロム保証は、販売した端末の前所有者が購入代金の支払いを行わない等の理由により、キャリアによって「ネットワーク利用制限」が使用不可端末(赤ロム端末)になった場合、問題なく使用できる同型機または同程度機に交換するという保険です。 「白ロム保証」がない状態での中古スマホ購入は非常にハイリスクですので、保証の有無を必ず確認しましょう。
フリマ、オークションなどの個人売買をお勧めしない理由
中古スマホの入手先として定着しているフリマやオークションですが、前述の「白ロム保証」が個人間では付けられず出品者の善意に頼るしかないため、「赤ロム」に対する対策が全くできていません。 フリマやオークションは、出品者も購入者もお互いの個人情報が分からない状態での取引なので、出品者が悪意をもって利用している場合には被害をリカバリーする方法はありません。そのため、取引は慎重に注意深く行う必要があります。 また、購入後に故障や不具合が発生した場合の責任も、いずれにあるのか明確ではなく、出品者に責任を認めさせて修理や返金を行うのはなかなか難しいことです。 リスクを承知の上で利用するのであれば良いのですが、価格の安さだけに目を奪われて、悪意の出品者に騙されないように気を付けましょう。
中古Androidスマホを購入する際のその他の注意点
中古Androidスマホを購入する場合には、ほかにも注意すべき点があります。
SIMロック解除
キャリア販売の端末には基本的にSIMロックがかけられており、購入キャリア以外の通信回線で利用できません。 他社回線で利用するにはSIMロック解除が必要です。発売が2015年4月以前の端末はSIMロック解除対象外なので、注意が必要です。
SIMカードのサイズ変更
買い換え前の端末と、買い替え端末のSIMカードのサイズが異なる場合、通信会社に申告して「SIMカード再発行」あるいは「SIM交換」を行う必要があります。手数料は3,000円前後です。
周波数帯域に対応していない場合がある
あまり多くはありませんが、一部の機種で特定の周波数帯域に対応しておらず、圏外になりやすい場合があるので、注意が必要です。
中古Androidスマホ購入時の注意点まとめ
「中古スマホを買う」と言っても、注意すべき点は様々です。 ここまでの解説を簡単にまとめると以下のようになります。
- Androidスマホはメーカー間の統一性や規則性なしに自由に製造されるため、欲しい機能や性能などを判断するのは対象があまりに多すぎて難しい。「お気に入りメーカー」の端末から選ぶ事で、対象を絞り込むことができる。
- 購入端末のOSバージョンを事前に確認し、あまり古いバージョンが乗っている場合には要検討。
- 製造メーカーによるOSアップデートの状況が分かればチェックしておいた方が良いが、基本的にAndroid全体にアップデートは少な目と知るべし。
- エントリークラスは再販には向かない。5万円以上のミドルクラス~ハイエンドクラスが狙い目。元々高額な上位機種を割安に購入できる点に中古スマホ購入の醍醐味がある。
- バッテリー劣化の観点から、発売から2年以内の機種がお勧め
- CPUは、「Snapdragon」なら700番以上搭載が目安
- RAMは最低でも4GB、できれば6GB以上を推奨。ストレージは64GB以上を推奨。
- 購入は中古スマホ専門店がお勧め。個人売買は安く購入できる反面、購入後のリスクに対する保証がない。
- 購入後、場合によってはSIMロック解除・SIMサイズ変更などに費用が掛かる場合がある。
- 中古スマホ購入は、割安に端末を入手する方法として活用すべきですが、それなりのリスクも背負う事になる事は理解してください。
自分にピッタリな端末が割安に見つかるとよいですね!
すまっぴー編集部は2015年から格安SIM比較に関するコンテンツの企画、制作、編集しています。毎年15台以上実際に使ってわかったおすすめの格安スマホを紹介します。毎月20枚以上の格安SIMの通信速度計測も行っています。