povoの通信速度を実測調査!速度制限も解説!
最終更新日:2021年から始まったauのpovoの通信速度について検証していきました。 ここで解説みながら理解を深めてみてください。
株式会社PlusPass すまっぴー事業責任者
複雑な格安スマホの情報をわかりやすくお伝えします。2015年から60台以上の格安スマホに触れてきました。
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上記の図は、auのPovo(ポボ)の通信速度を、通信集中による速度低下が起こりやすい朝・昼・夜の時間帯に通信速度を計測したものです。
「Povo」は、まだプランリリースから間もないため、横軸のデータがなく、2021年4月のデータのみが表示されています。
1.povo通信速度は遅い?時間帯別、実測で調査!
povo、朝の速度調査結果
通勤や通学などで通信利用が集中しやすい時間帯である 8時31分時点のPovoの通信速度で、下り:40.0Mbps、上り3.9Mbpsが計測されています。
40Mbpsという速度は遅いものではなく、メールやSNSによるメッセージのやり取りや、WEB閲覧、動画視聴など、日常的に利用するサービスやコンテンツの利用では、問題なく快適に利用できる速度です。
しかし上り速度:3.9Mbpsは決して速いとは言えない速度です。 メールやSNSメッセージの送信程度なら問題ありませんが、画像や動画の送信の際には送信完了までに若干待ち時間が生じるかもしれません。
povo、昼の速度調査結果
こちらは、1日の中でも最も利用が集中する 昼12時台の速度計測値で、下り速度:8.5Mbps、上り速度:2.2Mbpsを記録しています。
正直、キャリア回線を使っている上、いくら料金が割安とは言え、この速度では物足りないどころか、納得できないレベルですね。
メールやSNSメッセージのやり取りや、WEB閲覧など日常利用のサービス、コンテンツを利用する分には特に問題なく利用できる速度ですが、1080p動画視聴など、より高速通信が必要な場合には速度不足を感じる可能性があります。
10Mbpsを割り込むのでは、キャリアサービスを利用する価値があるのか疑問です。
上り速度では2.2MbpsとMVNO同等か、それ以下の速度と言えます。
こちらもメールやSNSメッセージなどは特に問題なく利用できますが、少し大きなデータ量の送信は時間がかかります。
povo、夜の速度調査結果
こちらは 夕方18時31分の計測ですが、下り速度:12.00Mbps、上り速度:2.7Mbpsを記録しています。
最混雑時間帯である昼12時台と大差ない数値です。
メールやSNSメッセージや、画像少な目のWEB閲覧程度なら問題ない…というのは確かです。
上り速度も昼12時台とほぼ同等の2.7Mbpsで、動画コンテンツには完全に速度不足です。
【総評】povoの速度は遅いのか?
残念ながら、「速い」とは言えません。
朝の下り速度以外、見るべきデータはなく「遅い」と言えるでしょう。
「速い」「遅い」は、何を基準に判断するかにもよりますので一概には言えません。
例えば、混雑時の速度低下に苦しむMVNOからの乗り換えであれば、これでも十分に「速い」「問題ない」と感じるかもしれません。
しかし一方では、格安通信サービスでももっと速い速度をコンスタントに提供するサービスもありますし、キャリア本体のサービスからの乗り換えでは、大きな不満やイライラが募る可能性があります。
そういう意味では、 Povoは決して速い通信サービスではないですし、特に昼夜以降のより高速通信が求められる時間帯の速度が、下りも上りも遅いのは致命的 と言えます。
2.povoの通信速度の口コミ
Povoの痛心速度について、ネット上の口コミや評判を集めてみました。 速度に関する評価の大部分は「問題ない」「(auと)変わらない」といった意見 で、これならば大丈夫か…という印象ですが、詳しく内容を見てゆくと以下のような意見が見られました。
良い評価(変わらない)
- 「問題ない」
- 「auと変わらない」
- 「回線速度は、au:下り41.3Mbps/上り26.9Mbps、povo: 下り40.5Mbps/上り25.0Mbps、ぜんぜん変わらない」
- 「povo全く速度変わらん気がする。遅いって言ってる人はau以外からかえた人なのかな」
といった意見がありました。しかし以下の様に酷評もあり
悪い評価
- 「povoに変えたら外での読み込み速度遅く使い物にならない」
- 「povoの通信速度が異様に遅いのでgoogleのspeed testをしたところ1MB未満だった」
- 「Povoに変えたら通信がめちゃくちゃ遅い。安かろう悪かろうの品質」
- 「キャリアをpovoに変えてみたけど、体感では遅くなった気がする」
といった酷評も一定数ありました。 元々、モバイル通信は状況や場所による品質や速度の変動が激しいものですが、Povoに関しての評価は両極端な印象です。
ドコモやSoftbank等の他キャリアからの乗り換えの際には、あまり速度が良化していないケースもあるようです。
3.povoの速度制限はどうなる?
povoは速度制限1mbps(最大)
Povoでは、月間の高速データ容量20GBを使い切った場合に速度制限を受けますが、制限時の速度は最大1Mbpsが確保されています。 1Mbpsという速度は決して遅い測度ではありません。
一般的に、 1Mbpsでも、メールやSNSメッセージのやり取りや、画像少なめのWEB閲覧であれば問題なく利用できますし、人によっては動画視聴にも利用できるという人もいる速度です。
ネットうえの評判を見ていると、速度制限時でも「動画が見られた」という意見もありましたが、「見られた」であり「高画質で快適に見られた」ではないことに要注目です。
しかし、5G通信サービスの拡大を目前に、多くのサービスやコンテンツが大容量化している現時点では、1Mbpsで「快適性」を確保できるとは言い切れません。
4.povoのテザリング速度は遅い?
下り速度:39.0Mbps、上り速度:2.1Mbpsが記録されています。 下り速度39Mbpsは、メールやSNS、WEB閲覧程度であれば問題なく利用可能ですが、大容量PCオンラインゲームなどでは速度不足になる可能性もあります。
また、特に上り速度が非常に遅く、2.1Mbpsという速度はMVNO以下とも言えるレベルで、とてもキャリアが提供するサービスとは思えない速度です。
元々、au通信網は技術的な側面から上り速度を苦手(※)としているため、au本体やサブブランドUQmobileでも上り速度は決して速くありませんが、Povoもau通信網の特徴として上り速度は苦手な傾向があります。
- 家族や知人に画像や動画を添付したメールやSNSをよく送信する
- SNSへの写真投稿が多い
- YOUTUBEに動画をよくアップする
等々、 上り通信をよく利用する場合には、Povoも含めて、au回線の利用は避けた方が賢明かもしれません。
5.povoの速度と他社の比較(時間帯別)
以下は、ahamo、povo、新たにキャリアとなった楽天モバイルを加えた6サービスの通信速度を、朝昼夜の通信集中時間帯に計測したものです。
朝の速度比較
LINEMO(Softbank)と楽天モバイルUN-LIMITが60Mbps前後まで速度が出ていますし、ahamoでも45~50Mbps程度まで出ていることに対して、auの2サービスが最下位となっています。
午前中は利用集中が起きる時間帯もありますが、それでも1日を通してみれば比較的速度が出やすい時間帯にも関わらず、この程度の速度に甘んじているようでは、他の時間帯の速度低下が心配です。
昼の速度比較
朝の時点で心配した通り、auの2サービスの実測値には酷いものがあります。
キャリア通信網を使ったサービスで10Mbpsを割り込むなど、いくら昼12時台の計測とは言えあり得ないことです。
楽天モバイルとワイモバイルは朝よりも昼の計測値の方が好転していますし、ahamoは図ったように40Mbps中~後半を維持している一方、 au通信網の計測値は、速度低下に苦しむMVNO並みと言えます。
7~8Mbps程度出ていれば、メールやSNSメッセージなどは問題なく利用できますし、WEB閲覧でも画像掲載が少ない場合には実用的に利用できるはずですが、
その程度の速度であれば、もっと安い料金の格安サービスがいくらもあります。
夜の速度比較
楽天モバイル以外は、すべてのサービスで昼12時台よりも速度アップしていますが、それでもPovoの通信速度の低さは変わりません。
メール・SNS、画像閲覧程度であれば大きな問題なく利用可能です が、夜間は大きなデータが動く時間帯であるため、そうでなくとも混雑気味の通信が一時的に集中利用され、遅延などが起こりやすい時間帯でもあります。
6.povoの通信速度が遅いと思った時の対処方と原因
速度が出ない、遅い等と感じた場合には、以下を試してみることをお勧めします。
利用時間帯をチェック
ピーク時には、通信サービス全体で速度低下を起こしているケースがあるため、速度の遅さを感じたら現在時刻を確認してみてください。
トラフィック集中による速度低下が起きている場合には、混雑の解消を待って通信することで速度が回復します。
利用場所をチェック
建造物の影や地下街などの場所によって電波が届きにくくなる場合があります。
電波が届きにくい場合、スマホを使用している場所を少し移動するだけで電波状態が改善することがよくあります。
利用場所を少し移動してみることをお勧めします。
時間をおいてみる
偶然に基地局でさばき切れない数のユーザーが集中するケースがあります。
そうした場合、10~20秒ほど時間をおいて再接続するだけで通信環境が好転する場合がありますので、少し時間をおいてみるのも速度改善の1つの方法です。
電源や機内モードをON⇔OFFしてみる
もっと積極的な改善方法として、 通信機器の通信を一旦断絶することで接続する基地局を変えられる場合があります。
スマホなどの電源をON⇔OFFする、あるいは、機内モードのON⇔OFF、モバイル通信ON⇔OFF等をすることにより、一旦通信を断絶し~再接続することで基地局が切り替わる場合があります。
うまく混雑していない他の基地局に接続できれば通信状態が改善します。
SIMを切り替えてみる(複数SIM利用の場合)
デュアルSIM対応端末の場合で複数の異なる通信サービスのSIMを利用している場合、 主回線と副回線のSIMを切り替えることで、速度低下を回避することができる場合があります。
通信サービス全体の混雑のケースもありますが、その地域の通信網の状況なども関係してきますので、切り替えが可能な場合にはSIMを積極的に切り替えるのは良い方法です。
速度制限を受けていないかをチェック
高速データ容量を使い切ったために速度制限が課されて低速通信になっている可能性があります。
容量を使い切っていた場合には、そのまま月末まで低速利用するか、データ容量を追加購入して高速通信を復活させることができます。
Povoの追加購入の場合には1GBあたり550円のコストとなります(基本料金に比べ割高です)。
Povo、またはau全体の通信トラブルの可能性
自然災害や人為的なミス、さらには昨今ではサイバー攻撃などのも含めて、Povo、あるいはauの通信サービスがダウンしている可能性 も無きにしも非ずです。
ダウンしないまでも通信に悪影響を及ぼしている場合がありますので、公式WEBの情報ページやサポートに確認してみると良いでしょう。
利用地域周辺の基地局工事などの可能性
現在利用している地域で基地局工事が行われていたり、不具合の修理中であるなど、通信に影響が出る場合があります。
基地局障害・メンテナンスの場合には、トラブル解消・メンテ終了まで通信不可になるケースがあります。
端末の故障・不具合をチェック
端末に不具合が生じている場合は、 以下の方法で通信速度の低下や通信トラブルの原因が通信にあるのか、端末にあるのかを確認することができます。
- 1.SIMを別端末に差し替えます。
- 2.入れ替えた端末での通信が正常かを確認します。
- 3.利用中のもの以外の端末にSIMカードを差し替えます。
他端末での通信でも同じように速度低下の症状が出れば、原因は通信サービス側にあると言えますが、他端末での通信が正常であれば、速度低下の原因は端末トラブルである可能性が高いと言えます。
7.povoの通信速度まとめ
auの新料金プラン「Povo」の通信速度について見てきましたが、 正直、この程度の速度しか出ないのであれば利用をお勧めしにくいです。
もちろん、「5分かけ放題」を自分で取捨選択できることや、「24時間通信使い放題」等のオプションの魅力などもあって一概には言えませんが、
こと「速度」に関していえば、胸を張ってお勧めできる通信サービスとは言い難いというのが結論です。
すまっぴー編集部は2015年から格安SIM比較に関するコンテンツの企画、制作、編集しています。毎年15台以上実際に使ってわかったおすすめの格安スマホを紹介します。毎月20枚以上の格安SIMの通信速度計測も行っています。